スリーピングバスで、シェムリアップからホーチミン
直接ホーチミンへ行けるはずだったバスチケット |
しかしそれが、今後めちゃくちゃ楽しい時間を過ごすきっかけになった。
22時30分に出発し起こされたのが4時30分。
バリバリ寝起きだし、バスの出入り口にはトゥクトゥクやらタクシーやらの運転手が群がっている。
今自分が立っている場所が、どこなのかさっぱりわからない。
「待って待って、ここはどこ?ベトナム?」
「違う、カンボジア」
「カンボジアのどこ?」
「プノンペン、首都だよ」
プノンペンを素通りしようと思った理由は、二つ。
目立った観光場所がなく、なおかつひたすらに治安が悪いと聞いていたからだ。
プノンペンと聞いて、緊張が体を一気に走りぬける。眠気も一瞬で消え飛んだ。
一人の席を指定 |
と、群がる一人がバスの近くにぽつんと一つ無造作に置いてある私のバッグを指さす。
そうだよと答えると、親切に持ってきてくれた。チップの請求無しに。
ありがとう、そう言うまえに、宿は決まっているのか聞いてくる。
「ここには泊まらないよ。ベトナムのホーチミンに行くんだ」
「そっか、じゃあバスが来るまで喫茶店でコーヒー飲むか?連れて行ってやるぞ」
「必要ない。それより次のバスって何時にくる?」
「知らん、あそこで聞きな」
私の背後を指さす。言われるまで気づかなかったが、そこにはバスカウンターが存在していた。
正直拍子抜けした。治安が悪いから気を付けろと言われた場所で、放り出されていた荷物が無くなるわけでも、無駄にお金を請求されるわけでもなく、普通の人として扱ってもらえたことに。
その事実に安心した私は、次のバスの時刻を聞いて、そばの椅子で目を瞑った。
もちろん荷物は抱えてだが。
指定しないと、見知らぬ人とこの距離で寝ることもあり得る |
どれもこれも、プノンペン止まりのバスばかり。
そして到着するたびに、バスの出入り口には運転手らが駆け寄る。
見事客をゲットする者から、また自分の車に戻る物。
そんな光景を見ながら襲う猛烈な便意。
側のトイレに行くも最悪に汚い。
背負っているバックを、エス環を使いかけようとするもゴキブリの群れを発見。
この旅行で、初めて本気で無理と思った。
トゥクトゥクのドライバーを捕まえ、近くのホテルへ連れて行ってもらった。
歩いて2分くらいの場所を言い値の2ドルで。
無事すっきりした後は歩いて戻る。
太陽もうっすらと存在をアピールし始めた頃だった。
トレン・サップ川の向こうから昇る太陽 |
また、目的とは異なるバスが到着した。
日本人というのは、遠目からみてもわかりやすい。
持ち物や服装のセンス、女性ならばお化粧の違いによって、他のアジア国の人と区別がつく。
「ノータクシー、ノートゥクトゥク」のTシャツを着た男性。
二年くらい世界を周っているという女性。
ワーホリを終え世界一周を目的とする女性。
計3人と、ホーチミンまで一緒に行動することとなった。
私の旅行も、この日を境に一気に面白いものとなった。
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