バンコクで観た3つの寺院

2015/08/17

アジア タイ バンコク

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私が選ぶバンコクの代表的な仏教寺院

この辺りはチャオプラヤー川(メナム川)沿いに寺院が多いため、チャオプラヤー・エクスプレスという水上高速ボートで行くと便利。
この写真も水上ボートから撮影。

本題。この三つが私の行った仏教寺院である。
  • ワット・ポー(Wat Pho,涅槃寺)
  • ワット・アルン(Temple of Dawn,暁の寺)
  • ワット・プラケーオ(Temple of the Emerald Buddha,エメラルド寺院)

ワットポー(Wat Pho,涅槃寺) 

バンコク最大にして最古の寺院。巨大な黄金の涅槃仏があることで有名。
入場料200バーツ。

余談だが、数年前まで渋谷にファットブッダというアジア料理の居酒屋があった。
そこも涅槃仏がいたなとふと思い出す。
その時は、仏像寝かせてふざけてるなーくらいの感想だったが、
それがタイで、というか仏教寺院でポピュラーなことに驚いた。

涅槃仏(ねはんぶつ)とは


釈迦が入滅(煩悩が消える、解脱、あるいは死の意)する様子を仏像としてあらわしたもの。
寝仏陀なんて呼ばれることも。足の裏の文様は「宇宙観」を示す。
なお入滅を絵画的にあらわしたものは、涅槃図と呼ぶ。

宇宙観とは

宇宙観を語る前に「三千大世界」「須弥山(しゅみせん)」の説明。
仏教の世界では須弥山という中心にそびえる聖なる山がある。
須弥山の頂上は神様の住む世界で、そこの周りを太陽と月が回っている。
その周りには八つの山があって、須弥山含め全ての山は中腹あたりまで海に没している。
その海の上には四つの島が浮かんでいて、内一つが我々の住む人間界。

では海がどのくらい広いのかというと、人間の持つ言葉では示せないほど広い。
けれどもこれは、小世界の一つ。
世界にはこの千倍の小世界を持ち、それが中世界の一つ。
もちろん中世界もその千倍存在し、それが大世界の一つとなる。
この十億もの世界を「三千大世界」と呼ぶ。

三千大世界は「久遠本仏」という永遠の昔の成仏を果たし久遠の命をそなえた本仏が守護していて、
その一つ一つの世界には本仏の化身が常在して、過去にも現在にもそして未来にも我々人間を救っている。


世界が集合の集合の集合となっている様は、現代科学の宇宙の階層構造と似ている。
個人的に面白いなと思ったのは、仏教でも神様は遍在しているとしている事。
キリスト教でもイスラム教でも仏教でも、どの宗教でも神様は遍在している。
そして遍在していても像を作り偏在させることを許可させたり、させなかったり。

こう言うと怒られるのかもしれないが、どの宗教でも根本は同じなのかなと思った。
結局は無限の世界(宇宙)があって、遍在する神様が人間を救ってくれる。
これが全てなのかな。
あとは救いの方法、救われるための方法が異なるだけ。

規模こそ比べ物にならないほど小さくなるが、まるで小説だ。
愛し合う二人がいて、片方が病気で死んでしまう。というありふれたテーマに、
どう愛したのか、失ってからどうなったのか、など様々な設定が付加される。

その方法や設定が異なるから別の宗教、別の物語として確立されている。


例えば「堀辰夫:風立ちぬ」と「片山恭一:世界の中心で、愛をさけぶ」
骨組としては前述の通り同じで、ついているお肉が異なるだけ。
だから、それぞれのお肉が違った味で美味しいと思う人もいれば、
こっちのお肉が本物のお肉だ、とかこっちのお肉は認めないという人もいる。

そしてそれぞれ、自分のとこのお肉の生産地こそ本物だ。むこうのお肉生産地は偽物だ。
という意見を持ち、対立し争うようになってしまったのが現代。

話戻ってワット・ポー敷地内にはいろいろな仏塔が並ぶが、これらは王やそれに近い人らのお墓だという。


こんなきれいな模様は陶器の破片がはめられている。
ワット・ポー最後になるが、ここは中国文化とタイ文化が混ざった様式の、代表的な建築の一つとして知られている。

ワット・アルン(Temple of Dawn,暁の寺)

現在の10バーツ硬貨に描かれている寺院。
入場料は工事中でも容赦なくとられ、だけど50バーツと安め。

三島由紀夫といったら私は「潮騒」「金閣寺」しか読んだことがないが、
彼の最後の長編小説「豊饒の海ー暁の寺」の舞台となった場所らしい。

それを知ってamazonで調べたら電子化はされていなくひどく残念だった。
日本へ本帰国したら、読みたい本の一冊となった。


タイ王国の現王朝の創始者ラーマ一世はラオスのヴィエンチャンを攻略した後、戦利品として「エメラルド仏」を持ち帰り、この寺に安置した。
現在では次に紹介するワット・プラケーオに迎えられ大事にされている。

エメラルド仏とは

ではなぜヴィエンチャンがエメラルド仏を所持していたのか。
神様が作ってくれたありがたいエメラルドの仏像はインドへ送られた。内戦によって安置が困難となり、スリランカへ。
ミャンマーが取りに行くが、うまく帰れずカンボジアに流れ着いた。
カンボジアの都市が壊滅し仏はアユタヤへ。
そしてそれを盗んだ人がチェンライに安置。
盗難を避けるため全身を漆喰で覆い隠される。

そこで、いったんエメラルド仏の歴史が途切れるが1434年。
チェンライの仏塔が落雷で破壊され、なかから漆喰でできた仏像が見つかる。
よく見ると漆喰の中が、ヒスイの仏像だったということがわかる。

彼らにとっては伝説に等しい仏像。チェンライからチェンマイ、ルアンパバーン、ヴィエンチャンと運ばれて、ラーマ一世によってバンコクへ持ち帰られた。




さっきの涅槃寺と異なるのは、建築様式。
ワット・ポーは中国とタイの混合様式で、こちらは純粋なタイ(バンコク)様式。
その特徴はトウモロコシのような形をした仏塔である。
工事中の大塔を四つの小塔が囲んでいるのは、前述の「須弥山」を具現化している。

本当はこの大塔に登れるのだが、あいにく工事中で禁止されていた。残念。


なお装飾自体は中国の影響が強く、やはり陶器があしらわれている。


ワット・プラケーオ(Temple of the Emerald Buddha,エメラルド寺院)

タイ語でワットが寺、プラケオがエメラルド。
王宮の敷地内に位置する寺院。
先ほどのエメラルド仏が現在にわたって安置されている。
入場料なんと500バーツ。めっちゃ強気の価格設定に入るのをためらった。
しかし後から悔やんでも遅いので外国人価格の500バーツを払い入場した。


ちなみに王宮といっても、現在は国王が居住することも日常公務を行うこともない。現王朝のシンボルという存在だ。


中は観光客でめちゃめちゃ混み合っている。
特に私の場合タイミングが悪く、中国人の超団体旅行者と同じタイミングに入ってしまった。


ここはビルマ(現ミャンマー)軍に備え王朝を移したと同時に、当時の建築技術を最大限用い建設された。


以上が私の選ぶバンコクの代表的仏教寺院だ。
一日で回れるので、どれも訪れやすく良かった。
ただとても熱かったので、熱中症等の対策は十分に行った方が良い。
繰り返すが暑いではなく熱かった。


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