- プレループ(肉体が還る場所)
- タ・プローム(梵天の古老)
まとめて以上二つを紹介する。
プレループ(Pre Rup)
夕日が綺麗だと連れて行ってもらった場所。日没30分前くらいに着いたと思ったがそれでも人は多く、時間が経つにつれ更に増えていった。
割と場所取りが重要で、ギリギリに駆け込むように来た人らは、後ろのほうから眺めていた。
そんな人にまみれての日没だったが、
遺跡から眺める沈む夕日は非常に趣があり、人の多い理由がわかった気がする。
日が沈むと階段は非常に混雑する。
足腰の弱い人にとっては、やや上り下りしにくそうだった。
タ・プローム(Ta Prohm)
「梵天の古老」という意味だがわけわからない。ここで止まらず、分解して考える。
「梵天」
仏教において正法護持の神。
「正法」
正しい教え、仏法、法則。
「護持」
尊んで守り保つ事。
「古老」
老人。年配。身分の高い者。
これらの言葉と、当時の王様が自身の亡き母を思い建てたという背景を合わせると、なんとなく意味が見えてくる。
おそらく当時の王様ジャヤーヴァルマン7世の母も、厳格な女性だったのだろう。
そして王自身、彼女の事を大切に思い尊敬していた。
だからこれを「梵天の古老」つまり「教えを尊んだ母」と名付けたのだ。
母のために、こんなに大きなものを建ててしまうなんて、今では考えられない。
働いていた時、沖縄の勝連という場所に入港したことがある。
沖縄のお墓は亀甲墓と言い、普段目にする直方体のお墓よりはるかに大きかった。
値段は安いので2、300万円。高いのだと1000万円以上するとタクシーの運転手に教わった。
それを考えると、王様ってお金持ちなのだなと当たり前のことに納得する。
きっとこれらの遺跡が出来たばかりのころは、辺り一帯がひらけていたのだろう。
それが時間と共に、草木が成長しこのような形になってしまった。
当時の人間の誰が、このような姿を想像したであろうか。
しかし、彼らにとっては不服かもしれないこの情景も、現代の私らは非常に高い価値を見出している。
過去の人間から現代の人間へ遺された有形の財産として。
いつか私らの住む場所が、このように自然に侵された時。
それを発見した未来の人間は、遺産として価値を見出してくれるのか、
あるいは、ゴミとして片付けてしまうのか。
それ以前にスクラップアンドビルドの精神で作られた建物は、未来に残ることなく朽ち果てるだろう。
その精神は地震や津波の多い日本では合理的かもしれない。
だけど、なにも遺らない。
なんて考えると、どこか寂しい。
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